エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
第六章 やっぱり君が好きだよ



武智さんに強制的に連行された私は、外に待機していた麗央さんに車に乗せられてしまった。

“もう逃げれないよ、逃さないよ”とでも言うかのように……麗央さんは、私の腰に手を回すから逃げる事なんてできない。


「………」

「………」


車内では沈黙が続いていて、とても気まづい雰囲気が流れている。

どちらかが話さなきゃ沈黙を破ることは出来ないけど……私は何を、何から話せばいいのかわからない。


「……麗央、話したいことあるんじゃないの?」


その沈黙を破ったのは……運転している武智さんだった。


「……何のために、俺が一生懸命にスケジュールを立て直したかわからないだろ? それに、ここまで迎えに来れたのは誰のおかげか考えてくれないかな?」

「あぁ、ごめん。そうだな……」


武智さんに謝った麗央さんが私を見た。


「まずは……美唯、ごめんな」


それは何のごめん……なの?  


「……親父が美唯に金を渡して、別れてほしいと言ったと聞いた」


それは……お父様本人から聞いたのかな?


「……親父から、お金は受け取ってもらえなかったって聞いたよ」

「え、話が違う……」


話さないって、約束したはずなのに……な。

麗央さんは、ハハっと笑うと「親父、受け取ったとお伝え下さいなんて言っていたって暴露してたよ」と付け加えて言った。


「それでさ……親父は言ったんだ、『強い女性(ひと)じゃないか……』って、『だけどそれに比べて、お前自身は誰かを守れる強さは持っていない。』ってね」


誰かを守れる、強さか……。
だけど、縁談は? 安座間財閥のご令嬢様と婚約するって。


「美唯の心配してる縁談とやらはとっくの昔に俺が断ってるよ……親父が勝手に持ってきただけ。」

「そうなんだ……」

「それと……『お前は、ただ前にあるレールを歩いてるだけ。お前はお前だけの道を作れ。場所はここじゃなくてもいい。結果を残せ、そうじゃなきゃあの子を迎えに行くなんて無理だ……大切な人を守れない奴が社員を率いて、守ることは出来ない』とも親父に言われたな」


……え? だから、会社を作ったの?




< 46 / 57 >

この作品をシェア

pagetop