もう失うものなんて

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もう痛いという感情が無くなってきた



ただ、殴られる

何か悪いことをしただろうか


『もうすぐ夏だっていうのに水着着れないじゃんか。』

そう思うと悲しくなる

「希乃、大丈夫か?」

わたしには、双子のお兄ちゃんがいる。
希空にぃは、唯一わたしの心の支えだ
かっこよくて勉強もできる

最初は、わたしが虐待されてることを止めてくれた。

でも、いつしか黙認するようになった



それでも、傷ついたわたしに声をかけてくれる

ほらこうやって

それが唯一の支えなんだ


『お風呂でたよ。希空にぃありがとう』

「気持ち悪りぃこと言ってんなよな。」

『うん。ごめん。おやすみ』

相当疲れてたのかすぐ寝た希乃に
希空が言ったおやすみは届かなかった

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