ガラスの靴はいらない

夢見る女の子とは






私だって小さい頃はお姫様に憧れてたし
いつかきっと白馬に乗った王子様が迎えに来てくれて
シンデレラみたいに素敵なドレスを着るんだなんて思っていた。


でも、その夢はいつの間にか自然と消えていて
可愛い夢を見れない年齢になってしまった。



白石 雪姫 27歳
美容専門学校を卒業後、フォトスタジオでスタイリストとして働いている



「おはようございまーす」


『姫おはよ〜』
『姫さん、おはようございます!』



私は、職場で柄にもなく〈姫〉と呼ばれている

最初はやめて欲しいとお願いしていたけどもう諦めた。



「ひーめ!おっはよー」

「志織おはよう。
今日も元気いっぱいだねぇ」


同期入社で同い年、プライベートでも仲が良い。
中村 志織(Nakamura Shiori)

「今日も姫は可愛いねぇ。何そのワンピース!可愛すぎるんだけど!
髪も明るくした??可愛い!ヤバイ!」


毎朝どこかしらを褒めてくれる志織は、
サバサバしていて、同い年だけどお姉さんみたいな頼れる存在。


< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop