泡沫夢幻


「なぁ、駿。
お前、中学に入ってから色々あってしんどかったと思うけど、これからも笑えよ」
グラウンドを慣らしながら燿が話しかける。

「お前、普段誰も頼らねえから俺心配なんだよ。

高校離れてもいつでも頼れな?」

そう肩に手を置いて笑いかける。


「あぁ、ありがと。
考えておくよ」
なんて言って燿の持っているブラシを奪う。


「お前のこと頼りにしてるぞ!」
なんてその時はそう笑ってたが


中学で出会った燿が、
この先何度も救われることになる
かけがえのない友人となることを

この頃の俺はまだ知らない。



< 48 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop