不眠姫と腹黒王子



振り返ると、クラスで大人しい女の子。
名前は…

「篠原さん?」

結がそう呼んで、思い出した。

そうそう。篠原さん。


「あの…二人だよね?
班…入れてくれない?」

「えっ、うん…。」
「もちろんいいよ!」


私以外にもこんな暗い子いたんだ。(失礼)

小柄で、メガネかけて俯いて、
声も小さく自信がなさそうだ。

私が言うのもなんだけどね。


「ありがとう、佐竹さん、高山さん。」

「下の名前でいいよ!」


結がそう言うと、意外にも穏やかな笑顔を浮かべたからビックリした。

やっぱり…
私と同じで暗いなんてひどいこと思ってしまった。

笑えば優しそうな、雰囲気の柔らかい子だ。

私と違って素直で可愛い。


自分の第一印象での偏見を反省した。


「問題は男子との合併だよね…。
私は是非とも円のために宮くんたちと一緒になりたいんだけどさ。」

「え、円ちゃんって…
宮くんのこと…?」

「いや、違うから。
結、ふざけてないでちゃんと探すよ。
宮なんかあの人気だよ?無理でしょ。」


そう言って再び宮たちの方を見ると、
思いがけず目が合ってしまった。


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