狼の愛したお姫様
「…好きになって、ごめんね。」
これは現実?
それとも、夢の中?
待って、まだその手に触れていたい。
離れていく手を寂しいだなんて思ったことは一度もなかったのに。
「……これで、最後にするね。」
するりと離れていく手。
それに手を伸ばそうとしても、届かない。
「────貴方に、触れるのも。」
温かくて、柔らかいものが唇に触れた。
その途端込み上げた感情が、溢れなくて辛かった感情がとめどなく溢れ出した。