この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。


でも、わたしの頭の中はそれどころじゃない。


お父さんを殺したという言葉が、頭から離れない。


この学校は噂好き。

根も葉もない噂も簡単に流れる。


でも、そんな悪意あることまで流されるだろうか?


「みんなありがとう。でも大丈夫」


そういって笑う。

それだけでみんなは安心したような顔をした。



きっと、彼女たちの中で勝手に変換されて、明日には


「二階堂くんが脅した」

「麗華ちゃんは優しいから断れなかった」


とか、そんな噂が流れるんだろう。


そんな事実でもない、噂が。

< 34 / 86 >

この作品をシェア

pagetop