この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
「いつも、そこにいたの?」
「ああ。お前が必死になって走り回ってるのをこっから高みの見物してたわ」
さすがにはしごを上るのは怖かったからいってなかったけれど、こんなことなら勇気をだして上ってみればよかった。
「話したいことがあるの」
「俺はない」
「お願いだから、降りてきてよ」
「そんなにいうなら、お前がのぼってくれば。そしたら話してあげてもいいけど?」
どうせのぼってこれないんだろ。
そんな顔でこっちをみるから、わたしははしごに手をかけた。