この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。


「まさかそのお嬢様がこんな学校にいるなんて思わなかったけどな」

「悪かったわね」

わたしだってあの、竜崎のお坊ちゃんがここにいるとは思わなかったわ。

まあいまは違うんだけど。




「お前、卒業したら結婚するんだろ?」

「そんなことまで、知ってるの?」

「ああ、有名だぜ。こっちの界隈では。藤宮のご令嬢は、もう決まった相手がいて卒業したら籍をいれるってな」


一番、知られたくなかった。

二階堂くんには。

< 60 / 86 >

この作品をシェア

pagetop