白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「いい天気だなぁ・・・・」


わたしは一人、やわらかい色の青空と、ふわふわしている白い雲を見上げた。

稜ちゃん、夏はきっと、もっといい天気と空になっているよね。


真っ黒に日焼けした高校球児たちを讃えるように、爽やかな青い空がどこまでも広がる。

それから、少しの雲と、熱気。

気温の暑さと稜ちゃんたちの熱さが相乗効果でさらにわたしを熱くする。

今から目頭が熱くなるほどの感動と興奮、歓声にわき上がる球場。

そこでホームランを打って、ダイヤモンドを一周しながらガッツポーズをする稜ちゃんが目に浮かぶようだよ。


わたしはそのときベンチに入っていて、ベースを踏んで戻ってきた稜ちゃんとハイタッチ。

・・・・なんてね。

できたらいいのにな。

わたしが稜ちゃんとハイタッチするだなんて、夢のまた夢だよね。

だってわたしの妄想だもの。


わたしは、稜ちゃんが一生懸命に野球に打ち込む姿が一番好きなんだ。





そういえば・・・・。

稜ちゃんを好きになったのも、少年野球の練習試合を見に行ったときだったな。
 

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