白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「聞こえるわけないって、自習なんだから。みんな騒ぎまくってるよ」


そんなわたしに、ココちゃんは苦笑いを浮かべて言った。


「あ、そっか。今は自習だった」


わたしは違う意味で苦笑い・・・・。


「今週末、また練習試合なんだって? この天気でできんのかな」

「ん〜、どうだろ・・・・。微妙な感じなんだよなぁ」


今週末、今度は東高校との練習試合が控えている。

でも、このままの天気だったら、たとえ当日が晴れてもグラウンドがどうなっているか。

また青雲高校での試合だから、水はけの悪いグラウンドがすごく心配で。

みんな、また試合できる!って意気込んでいるのに・・・・。


「ちょっと、百合!手が止まってるって!」

「あっ、ごめん」


実は今、この自習時間を利用してココちゃんとわたしは予選の応援グッズを作っているんだ。

ココちゃんは千羽鶴作り、わたしはお守り作りで、分担してやっている。

窓ガラスに打ちつける強めの雨粒を見ていたわたしは、その声でまた、思い出したように手を動かしはじめた。
 

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