白球と最後の夏~クローバーの約束~

ドライブ・:*:・゚☆

 
それからわたしは、黙々とてるてる坊主とお守りを作り続けた。

このドロドロした気持ちを何かにぶつけたくて。


てるてる坊主もお守りも、本当はドロドロした気持ちなんかで作るものじゃないのは分かっている。

よく分かっているんだ。

だけど、心に閉じ込めておくことなんてできなくて・・・・。

作りながらまた、ポロポロと涙が出てきてしまう。


きっと今、わたしはものすごく自分勝手なんだと思う。

自分の利益になることにはしっぽを振って飛びつくくせに、損をすることには絶対に関わろうとしない。


娘がこんな子だって知ったら、お父さんやお母さんは悲しむよね。

幼なじみがこんな子だって知ったら、稜ちゃんはきっと嫌いになるよね。

親友がこんな子だって知ったら、ココちゃんはきっとわたしから離れていくよね。

同じ部活のマネージャーがこんな子だって知ったら、みんな引いちゃうよね。


わたし、本当にどうかしてた。


「・・・・ごめんね」


そうつぶやいて机に伏すと、涙もふかないまま、わたしはゆっくり目を閉じた。
 

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