白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
『まぁ、あれだな。いろいろ悩むところはあるかもしんないけど、何も気にすることはねぇからさ。腹が鳴ったことだって、それから・・・・岡田だって』


ヘコんで元気が出ないわたしに、稜ちゃんが優しい言葉をかけてくれた。


「・・・・うん、ありがとう」


なんでかな?

たったの5文字の言葉・・・・“気にするな”で、わたし今、すごく泣きそうになってる。

視界がぼやけて、稜ちゃんの顔が笑ってるんだか普通の顔なんだかもう分かんないや。


『てるてる坊主、明日な。マネージャーが作ったんなら、きっと試合の日は晴れるよ』

「うん・・・・」


稜ちゃんは次々と優しい言葉をかけてくれる。

でもそれ、わたしにはもったいなさすぎるよ・・・・。


『じゃあな』


稜ちゃんは、そう言って窓を閉めようと窓枠に手を伸ばした。


「あっ、稜ちゃん!」


もう一度“ありがとう”が・・・・それから“おやすみ”も言いたくて、わたしは必死に止めた。

そうしたら、出てきたのは“キャプテン”じゃなくて“稜ちゃん”だった。
 

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