白球と最後の夏~クローバーの約束~
それから・:*:・゚☆
それからの甲子園までの日々は、ビデオを早送りしているみたいに早く早く過ぎていった。
稜ちゃんと手をつないで帰った日は、わたしの家族も稜ちゃんの家族もどんちゃん騒ぎ。
どっちか1つの家で騒げばいいのに、稜ちゃんの家に行って騒ぎ、わたしの家に来ては騒ぎ・・・・。
その繰り返し。
甲子園を決めたこと、わたしの誕生日のお祝い、その2つを一気にお祝いしたんだ。
特上のお寿司はお父さんが出前を取って、大きなケーキはお母さんの手作りで。
何年ぶりかに、稜ちゃんの家族と一緒にご飯を食べた。
これでもかってくらいにお酒を飲んだ、わたしのお父さん。
「我が息子よぉ〜!」
そう言って、稜ちゃんに抱きついて頬ずりまでしていた。
そんなことをされる稜ちゃんは、わたしを見て何とも言えない微妙な笑顔。
でも、それが逆に面白くて、わたしはお腹を抱えて笑いっぱなし。
そのうち、稜ちゃんのお父さんとお母さんも抱きついて頬ずりをする始末・・・・。
ぷぷっ。
似た者夫婦。
プラス、隣のおじさん。