白球と最後の夏~クローバーの約束~

36.8・:*:・゚☆

 
───ジリリリリッ
   ジリリリリッ・・・・


ベッド脇にある四つ葉のクローバー形の目覚まし時計が、わたしを夢の中から連れ出す。

今まで見ていた夢は、もうどこかにすーっと消えた。


「んんー・・・・っ!起きなきゃ」


ジリジリうるさいアラームを止めて、ベッドに横になったまま大きく背伸び。

・・・・までは、いつもと変わらない清々しい朝だったんだけど。


「けほっ・・・・けほ・・・・へくちょ。う〜・・・・」


喉の痛みとぼーっとする頭、体のだるさ。ずるっと鼻水が出るし、くしゃみも。

やっぱり。





トントントントン。


「お母さ〜ん。鼻水・・・・へっくちょっん・・・・止まんないよ〜」


昨日の夜、髪もろくに乾かさないまま眠っちゃったツケが回ってきたらしい。

稜ちゃんの気遣いもむなしく、案の定、風邪っぴきになった。


気だるい体をなんとか起こして、2階の部屋からキッチンに下りたはいいけど、鼻水とくしゃみがずっと止まらない。

おまけに目もシバシバする・・・・。
 

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