初恋ラプソディ
夏は終わったけれど、相変わらず、奏先輩は土曜日には私の家に来て、勉強を教えてくれている。

「ねぇ、奏先輩。」

「何?」

「奏先輩、受験生なのに、私なんかの勉強
みてていいの?
もっと自分の勉強した方がいいんじゃ… 」

私がそう言うと、

「教えるのも勉強になるからいいんだよ。
それに… 」

言いかけて奏先輩は、ためらうように口をつぐむ。

「何?」

「この間、美音のお母さんに聞いたんだ。」

ん?

「何を?」

「美音がEFアンサンブルに出る条件。」

「え?」

「美音は400点って言ってたけど、ほんとは
俺と同じ高校に行けるくらいって言われたん
だろ?」

「あ… 」

そう言われてみれば…

「だから、美音が俺と同じ高校に入るまで、
勉強続けるぞ。」

それって…

「来年、1年は離れるけど、また同じ高校で
一緒に吹奏楽やろうな。」

「うん!」

そうして、ずっとずっと、奏先輩と一緒にいられたらいいな。


奏先輩、大好き。


─── Fin. ───





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