ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜
星が煌めく中、魔法使いのロネ・ガランテはそっと隣に座るゾーイ・テイラーの手を取る。

「ロネ?どうした?」

星を見るのに夢中になっていたゾーイは、ロネの方を見る。赤いガーネットやルビーのような目で見つめられ、ロネの胸が何度も高鳴っていった。

「ゾーイ、実は言いたいことがあって……」

ロネはそっと服のポケットから小さな箱を取り出す。中に入っているのは、彼女の瞳と同じ燃えるような赤のルビーの指輪だ。

「俺と結婚してください!!」

ロネが緊張しながらそう言うと、ゾーイの目が大きく開かれる。しばらくの沈黙の後、ゾーイの瞳から美しい涙がこぼれた。

「私は……あのメルガ・キースの娘だ。こんな私でもいいと言うの?」

「当たり前だよ!……ゾーイじゃなきゃ、ダメなんだ」

ロネの言葉にゾーイは優しげに微笑む。もう迷いはないようだ。唇がゆっくりと動く。

「……こんな私でよければ、喜んで」

「本当!?どうしよう!!めちゃくちゃ嬉しい!!」
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