激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
私は早速宮城グループのフラワーアレンジに使う花をワゴンに乗せて、白シャツと黒いパンツに着替えて出発した。


ローズパレスは、教会とは別に挙式の相談ができる店舗が交通の便のいい場所にあり、今日はそちらに向かう。

裏玄関から訪ねると、依頼してくれた支配人の桐生さんの奥さま、梓さんが顔を出した。

彼女は優秀なプランナーだ。

お子さんがまだ小さいため、短時間の勤務で他のプランナーのサポート役に徹しているが、さすがは敏腕。見事に場を取り仕切り、お客さまからの信頼も厚い。


「本日はよろしくお願いします」

「急にごめんなさい。でも、新婦さんの話を聞いていたら、絶対に重森さんがいいと思ったの。とにかく優しい雰囲気がいいとおっしゃるから今までの写真をお見せしたら、予想通り重森さんの装花ばかり選ばれて」


それはうれしい。

お客さまの希望に沿う努力をするとはいえ、フローリストにも個性がある。
その部分を気に入ってもらえたのかな?
< 245 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop