激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「本当はこの結婚、すごく不安だったの。正也さんは式の打ち合わせにまったく興味がないし、デートに誘ってもくれない。連絡するのはいつも私から。結婚したくないんじゃないかって」


打ち合わせに興味がなさそうなのは、傍から見ていてもわかった。

けれど、婚約したのにデートの誘いすらなかったのか。


「でも、婚約までして引けなくて……」


結婚は付き合うのとは違い、家族を巻き込んだ一大イベントだ。

そう思うのが普通ではないだろうか。


「重森さんのことを聞いて、あなたと再会したせいだったのかとすごく腹が立った。でも、冷静に考えたら、私たちの関係がギクシャクしているのは、ローズパレスに来る前からなのに」


由実さんはハンカチで目頭をそっと押さえた。
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