激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
本当は西田さんたちにも参列してもらいたかった。

けれども、装花をお願いできるのは、ずっと心をひとつにして頑張ってきたル・ブルジョンの仲間しかいないと思ったのだ。


西田さんにその旨を打ち明けると、『当然だ。重森の式の装花を他の業者なんかにやらせるか』と鼻息を荒くして、ふたつ返事で引き受けてくれたのだ。

今日は私たちのお見合いをお膳立てしてくれた店長は出席者に名を連ねているが、テーブルが多いため総出で準備してくれる他の仲間たちは、そっと私の披露宴を見守ってくれると思う。


「髪に飾るお花も届きました。本当に素敵」


梓さんが目を細める。


「ありがとうございます」

「私ね、重森さんのこと、装花の腕だけじゃなくて人としても尊敬してるの」

「えっ?」


ずっと年上の彼女に、尊敬なんていう言葉をもらえるとは想定外でとても驚いた。
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