激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
その当時はかなり落ち込み、フローリストの仕事から離れるべきでは?と真剣に悩んだ時期もあったが、大好きな花に囲まれる生活をどうしてもやめられず今に至る。

その彼氏から食らった欠陥人間という強烈な言葉が思いのほか胸に突き刺さり、それからは恋愛からも遠ざかっていた。

しかし、毎月何組もの幸せいっぱいの新婦と会う仕事をしていると、うらやましい気持ちもなくはない。

そんな状況で、結婚を前提にアプローチされたら心も動く。

お相手が出会いから好感を持っていた人だったなんてなおさらだ。


とはいえ、やはり大きな会社の跡取りというのが気になって仕方ない。

自分が彼にふさわしいとはどうしても思えなかった。



翌週の木曜日。
外回りの仕事が終わったあと、ひたすら切り花の水切りをしていた。

毎日手をかけてあげると長持ちするからだ。
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