僕からの溺愛特等席
「……あ、えっと。います」
ややあって、野間さんは透き通った声で言った。
そう言われた時は、分厚い本で頭を殴られたかと思うくらいの衝撃だった。
「そうですか」としか言いようがなかった。
その時の僕の顔は酷く歪んでたに違いない。
ショックでがっくしと肩を落とすくらいは軽くしてしたんじゃないかな。
でも、野間さんが疎くて助かった。
彼女は僕の恋心には見向きもせずに、それがきっかけになって、
ただのサークル仲間として少しずつ話すようになった。