愛を孕む~御曹司の迸る激情~

 私は重い体をゆっくりと動かし、立ち上がると、おもむろにリビングへと移動した。そして、成宮さんの隣へちょこんと座る。


「ん?お腹すいた?なんか作ろうか?」

 私が近くへきた途端、そう優しい言葉をかけてくれる彼。なんとも言えない感情になり、少し胸がキュンとした。

「ねえ、聞いてもいい?」

 私が唐突にそう切り出すと、彼は一瞬身構えるように動きを止めた。

「なに?」

「なんで昨日、祐一と話した方がいいなんて言ったの?」

 ソファの上で膝を抱え、なんとなく目は合わせられなかった。


 祐一と会うことを決めたのは、成宮さんに背中を押されたから。絶対に会って話すべきだと、強くそう言われた。

 あの時は反応する余裕もないくらいに、祐一が来ていることに動揺していたけど、彼がそう言うのも意外だった。


「どうした?急に。」

 戸惑ったように笑う彼は、カップを手に取りコーヒーを一口口に入れた。

 そんな様子を横目に、私は思わず苦笑いを浮かべながら、膝に顔を埋めて言った。

「だって、ほら。プロポーズされてた人に、そんなこと言われると思ってなかったから。」

 自分で言っていて、少し恥ずかしくなった。でも、聞きたい。成宮さんの本心を、何を思っているのか、聞きたいと思った。


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