死んでもあなたに愛されたい
……は?
今の、もしかしなくても……赤羽くん、だよね?
「二度と息吸えなくしてやろうか」
「ギィヤアァッ!?」
足を止めずに振り向けば、やはり、赤羽くんがいて。
早くも3人も伸していた。
あ、目が合った。
と思ったら、さわやかに笑いやがった。
「さ、ぼくのことは気にせず、どうぞ」
「ひとみ! どこだ!?」
「ひとみん~……って、ええ!? こいつら何!?」
「……どうやら助っ人も来たようですし、先へお急ぎください」
「あ、はい」
うお。そう言いながら、敵の頭、かち割った。こっわ。
豹変してんのどっちだよ……。
味方でよかったあ。
魁運とマユちゃん先輩も加わって、なおさら安心して任せられる。
「ひぃちゃん、どっち行く!?」
「うーん……右! 右行こ!」
「了解!」
右の細い道に曲がり、ごみ箱と木の板を避けながら走っていく。
路地裏に抜けると、さらに入り組んだ路地が3本に分かれていた。
どれがどこに続いてるんだろう。
あー、地図がほしい! 検索かけたい!
「こ、ここも、とりあえず右に」
「……きゃっ!?」
「つぅちゃん!?」
つぅちゃんの体がのけぞった。
アイボリーのボレロをひんむく、けむくじゃらの手。
「はっ、はあっ……やっと追いついたぜぇ……!」
敵……!!