死んでもあなたに愛されたい



魁運、おじ様、すてき! かっこいい!

これだから好きなんだよもう! よっ、最強親子!



……って、そうではなくてですね!?



まさかの知られていた!?

今世紀最大の秘密が!?


オーマイガー……。



極悪非道な連中(父さん含む)から守りたくて秘めていた。



だけど……なんだ。
守られていたのは、あたしだったんだね。


あたしがヤクザの娘だって知りながら、一緒に過ごしてくれていた。



あたしのより、うんとあったかくて、いとしい秘密。

安らかで、やさしい、大好きな場所。



ぜったいに奪われたくない。




「あたしのためっていうのは、魁運やおじ様がしてくれたことを言うんだよ」


「お嬢……」


「だからあたしは、彼らを選ぶ」




伝えなくちゃいけないことがたくさんあるの。


ありがとう、も。ごめん、も。

会って言いたい。


息が詰まってしまう前に。




「いけません、お嬢」


「ひとみ様、安静に」




立ち上がる寸前、右肩を兵吾郎、左腕を赤羽くんに押さえつけられた。


振りほどこうとするも、病み上がりなせいかうまく力が入らない。




「非を認めるつもりがないなら、ずっと外野にいなよ!」


「お嬢が危険にさらされた以上、放ってはおけません」


「倒れていたのは、十中八九、永鳥魁運が理由なのでしょう? ならばなおさら、行かせるわけにはいきませんよ」



< 186 / 329 >

この作品をシェア

pagetop