死んでもあなたに愛されたい


なに。なんで。

みんなして、魁運を白い目で見てるの。


黒くよどんだ空気が、魁運を中心にうず巻いている。


この状況は、一体、何。




「佐藤さん、あのね」




魁運を横目に、影野さんは声をひそませる。




「金髪の彼とは、関わっちゃいけないよ」


「え……?」




彼女まで何を言っているの。

魁運の名前も出さずに、何を。




「忠告、したからね」




――キーンコーンカーンコーン。


チャイムが鳴り響いた。

ワケを訊く暇もなく、影野さんは席に着く。



さっきまでいい感じだったじゃん。

すごく明るいクラスだった。


それが急に、居心地がわるくなる。


そのきっかけを、ちらりと盗み見た。



あたしの位置とは真逆の、右角。

廊下側の一番うしろ。


そこが、魁運の席。



あ。魁運もこっち見た。


うわ。見んなって、にらんでくる。ひどい。



渋々、前に向き直した。

魁運の隣の席の女の子と、教室に入ってきた先生が委縮してしまっていた。



ねぇ。魁運って、きらわれてるの……?



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