甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「すごい。よく分かるね、瞬くん」

「え、マジだった? なんの覚悟……あ、分かっちゃった」


 瞬くんはにやりとした笑みを浮かべた。

 私は彼と同じような顔をしてみた。


「いやー、とうとうですね」

「ほんと、とうとうです」

「頑張ってね、花梨ちゃん」

「うん、ありがとう」

「あ、暁斗にふられたらいつでもカモーン。受け入れる準備はできてます」

「もう、冗談でそんなこと言わないでよ~」


 軽い口調で言ってきたので、私も同じ調子で返す。

 瞬くんは「あはは、ごめんね」と笑った。


「それじゃ、そろそろ行ってきます」


 そう言うと、瞬くんは私の背中を少し強めに叩いた。

 ――そして。


「……頑張れ」


 改めて私にエールをくれた。

 どこか寂しげな表情に見えたのは、教室が暗いせいなのかな?


「うん、ありがとう!」


 瞬くんに奮い立たされた私は、決意の気持ちをより一層胸に深く刻み込んで、教室を後にした。

 目指すは中庭の花壇。

 今年も色とりどりの電飾によるきれいなイルミネーションが、輝いているはずの場所だ。
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