甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

私たちは、ニセモノ同士

＊


　暁斗の家と私の家は隣同士だった。

　両家のお母さんの話によると、私たちは首も座らないような赤ん坊のころから、顔を合わせて遊んでいたんだって。

　きっと私は、その時くらいから暁斗のことが好きだったんだろうなあ。

　覚えていないけど、暁斗に恋焦がれすぎてそう思わずにはいられない。


「花梨、英語の教科書とノート出して」

「え？　今日もゲームか映画見るのかと思ってたのに」


　なんで勉強道具を？

　いつもは暁斗と一緒にゲームをするか、ネットの動画配信サイトで見られる映画やドラマをのんびり見ることが多かったのに。

　まあ実は、明日英語の小テストがあって、最近つまづき気味の私はちょっとやばいなあとは思っていたんだけど……。

　暁斗にはそんなこと、私は一言も言っていなかった。


「明日、小テストあるじゃん。最近の花梨、授業中に先生にあてられるとうまく答えられなかったり、予習大変だったって言ってたりしたから」

「え⁉　だから暁斗が、勉強みてくれるってこと？」

「うん。俺は英語得意だから、わからないところあったら聞いて」


　押しつけがましくなく、さりげない口調で言う暁斗。

　どうして、何も言っていないのに私のことを分かってしまうのだろう。

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