策士な課長と秘めてる彼女 ~出産編・育児編~
「いえ、僕は柊くんと、生まれてくる赤ちゃんのお兄さんになるんです!だから、最後まで見守ります。・・・ていうか、あれっ、僕はおじさんになるのかな?柊くんも叔父さん?」

本気で悩む勇気と一緒に、柊も顔を横に傾けている様子が可愛い。

「そう。じゃあ、みんなで頑張りましょうか」

その言葉を合図のように、強烈な痛みが日葵を襲う。

児頭が完全に出て首まで露になる。

「肩が出れば後は一気に進むわよ。さあ、日葵ちゃん、力んで」

「ん!・・あぁ・・!」

ポロポロと涙がこぼれる。

汗と涙と唾液が混ざって、何がなんだかわからなくなる。

数回力んだあと、ズルリと股の間から大きな塊が抜け出る感触に身体が震えた。

゛泣き声が聞こえない・・?゛

疲労困憊しながらも、高森先生の腕に抱かれる体液まみれの我が子が心配でならない。

しかし、高森先生がその子の足の裏と背骨をゆっくり撫でると、思い出したかのように大声をあげて産声をあげてくれた。

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