海の向こうで




海さん…。



「もしどうしてもお気に召さないようなのであれば、俺は身を引きます。けど、鮎斗とよく相談して決めてくれれば幸いです。どうか、よろしくお願いします」




と言って、海さんは帰っていった。




そのあと、父さんと母さんは俺に向き合った。




「ごめんなさい、私達はあなたの気持ちを考えていなかった。離婚するしないも大切だけど、暴走族の子だからって反対するのは良くなかった。あの子はすごく態度も良かったし、しかもずっと私達のために外で待っててくれてたんでしょう…?本当に、私が偏見を抱いていただけなのね」




「俺も同じ意見だ。暴走族ってのは、俺がまだガキだった時にもいたよ。俺はそいつらに金を巻き上げられたことがあるから、つい感情的になってしまった。たしかにそういう奴も多少は出てきてしまうのかもしれない。けど、あの子は違うんだって分かった。たしかに暴走族と聞いたら怖く思えるが、常識のある子だし、何より、鮎斗、お前に尽くしてくれているんだな」




分かって、くれた。



海さんは、あの少ない言葉で父さん母さんの心を動かした。





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