だから、言えない



*

佐山さんの部屋って、
デザイナーに依頼したの?
ってくらい、
おしゃれであか抜けてて、
生活感もないし、
まるでモデルルームみたい。
こんなとこに住んでたなんて…

そして、私は、
こんなおしゃれな部屋の真ん中で、
ボサボサの髪の毛なんか気にせず、
地べたにおでこをつけている…
なんともおかしな絵…

「佐山さんっ!
ほんっとにすみません!」

シャワーを浴び終わって、
薄着で頭にタオルを掛けたまま、
リビングルームへやって来た
佐山さんの前で土下座した。

「え?ちょ、やめろよ」
「私が昨夜何したか、
大体想像できます!
佐山さんに大変ご迷惑を…」
「いや…なんか…」

佐山さんは、
困った顔で頭を掻いた。

「何でしょうか?」

私は顔をあげたけど、
佐山さんは背が高すぎて、
ものすごく首を後ろに
曲げなきゃいけなかった。

「お前が怒るかと思ってたから…
ちょっと驚いてる」


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