だから、言えない
第三章 佐山 連





「村薗さん、コーヒー淹れたんですけど、
よかったら飲みますー?」
「せっかく淹れてくれたなら、
もらおうかな。
ありがとう、塚尾さん」


うーん……。

村薗先輩が私の家に来た夜、
塚尾さんから、
先輩に電話がかかってきたのを見て、
二人のことが急に気になり始めた。

そういえば、この二人、
最近仲がいい気がする。

それは私が意識してるからそう思うのか、
事実そうなのか…


あの時、先輩は電話にでなかった。

聞きたいことはたくさんある。

塚尾さんとよく電話するのか。
付き合ってるのか。
塚尾さんの用件はなんだったのか。


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