値札人間
イツミはどう見てもゴウのことを気に入っている。


このまま2人で食堂へ行かせてもらえるとは思えなかった。


「それならあたしも一緒に行く!」


案の定そんなことを言い出した。


しかもゴウの腕に自分の腕を絡ませている。


ゴウはあからさまに嫌そうな表情を浮かべたけれど、イツミは待ったく気にしていない様子だ。


元々イツミは自分に自信があるタイプだから、ちょっとしたことじゃ動じない。


「俺はアンリを誘ったんだよ」


「いいじゃん別に。3人で食べた方がおいしいじゃん。ねぇアンリ?」


イツミがこちらへ視線を向ける。


その表情は威圧的で、有無も言わさぬ迫力があった。


「う、うん……」


せっかくゴウが誘ってくれたのに、断る勇気が出ないのが悔しかった。
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