不本意ながら、極上社長に娶られることになりました


 高校を卒業後は服飾デザイナーの専門学校に進学し、卒業後は昔から好きだった原宿系ブランドメーカーに就職を決めた。

 凛香本人は原宿にいそうな個性的な雰囲気ではなく、黒髪のニュアンスボブでクールな印象を与える色白美人。

服装もいつもシンプルでオシャレなお手本系が多い。今日も透け感のあるシアーシャツにデザインインナーを重ね着して、ハイウエストデニムという私からしたら上級者なコーディネートだ。

凛香は身長も高めでスタイルもいいから、なんでも素敵に着こなせる。


「え、篤志、これ載せすぎ」

「大丈夫だろ、それくらい。皿空きそうだったから載せたんだけど」


 そう言って通りがかった店員を呼び止めるのは、私の向かいに座る篤志。

 篤志とも、凛香と同じ高一から同じクラスだった縁で付き合いが長い。

 篤志は男女関係なく付き合う社交的なタイプで、高校時代は三年間サッカー部に入っていた。

 昔からミーハーで流行りに乗りやすい篤志は、惚れっぽくもあり高校三年間で付き合う彼女もころころと変わっていた。

 それは今も変わらないようで、付き合う彼女とは最近も長続きしていないようだ。

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