不本意ながら、極上社長に娶られることになりました
何が一体どうなっているのか。
私はどうして初対面の桜坂社長の車に乗せられているのか。
全く自分の身に起こっている事態を整理できない。
そんな状態のまま、車は躊躇なく銀座の街を走り出す。
「あの……すみません。一体、これはどういうことなのでしょうか……」
「どういうこととは?」
「え……あの、その……この、状況が、と言いますか……」
探るようなつもりでそう言ってみると、桜坂社長はフロントガラスからちらりと私へ目を向ける。
小さくため息が聞こえたような気がした。
「さっき、迎えに来たと言ったはずだが?」
いや、だからですね、それが一体どういうことなのかということで……。
ますます首を傾げたくなる話の方向。
心なしか、私が話を掴めていないのが鬱陶しそうにも見える。
迎えにって……桜坂社長が私を?
「とりあえず、用意した新居を案内する。法的な手続きと婚儀についてはこれから決めていく予定でいる」