ねぇ、好き。

それからというもの。

「あ、また会ったね。…あ、無視しないでよ。悲しいなぁ。」

「…こないでください。」

彼は私に構ってくるようになって、私は彼との第一声は必ず『…こないでください。』になった。

「あは。僕にそんな対応取る人初めてだよ。ますますそそられちゃうね。」

あー、うざいー！

そしてめちゃくちゃ耳障りー！

「そそられないでください。永遠に。」

「…冷たいね。氷みたいだ。……って…、迷惑？」

「迷惑です。すごく迷惑です。世界で1番あなたが迷惑です。」

早口で言うと、彼はまた「…そっか。」と言って去っていくのだ。

なんでここまで食い下がらないんだ。

かと思えば、一言『迷惑』と言っただけで去っていく。

そしてめちゃくちゃに私を動揺させるのだ。

それは私が知らないパターンのチャラ男だ。

何をしてくるかわからないので、私は彼を警戒することにした。