異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。
SIDE ユーリ / 告げられた想いと、明かされた本当の姿
これは、どう受け止めたらよいのだろうか……

先ほど、ブラッドから届けられた手紙を手に、部屋の中央に立ち尽くしていた。

「クリスと王都へ……」

王城勤めのクリスとは、ちょくちょく剣術の稽古をお願いする仲だ。おそらく、位としてはかなり高い人なのだと思う。優雅な所作や口調の端々に、高貴な雰囲気を感じる。

そのクリスから、一緒に王都へ出かけようとお誘いの手紙をもらってしまったのだ。目的は書かれていない。

「デート……みたいなものだろうか……」

クリスはとても気さくに話しかけてくれるから、今ではすっかり打ち解けている。最初の頃はブラッドに対するのと同様に、〝クリス様〟と呼んでいた。けれど、人が親しくなるのに〝様〟は必要ないと本人から言われて、〝クリス〟と呼ぶようになった。併せて、敬語もなしだと言われた。


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