だれよりも近くて遠い君へ

違和感

朝、いつもよりもゆっくり起きて凪沙さんと病院に行く。
凪沙さんの車で揺られながら外を見る。

さくはもう学校に行ったのかな?とか
次のテスト、さくといつ勉強しようかな?とか、距離がほしいのにいらないことをかんがえてしまう。
きっと、一緒に居た時間が長すぎたからだ。

《居てほしい存在》だったのに、いつのまにか《居て当たり前の存在》になっていた。
それは、お互いにとって確実に悪影響を及ぼしていること、ちゃんとわかっているんだ。
だから余計につらいし苦しい。

さくはしらないんだろう。

『今日は先に行く』

今朝届いたさくからのLINEを見る。
遠ざけたのも、拒否をしたのも私なのに寂しいのはどうかしている。

既読だけつけて、どう返すか、無視するか悩んでいる間に病院についてしまって、
結局何も送らずに車から降りて、病院の中へ入った。
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