愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
「咲花が考えているような気持ちじゃない。だけど、不快な気持ちにさせたな。すまない」
「二股に、なっちゃうよ」

喧嘩はしたくない。だけど、有耶無耶にもできない。

「彼女を待つつもりなら、私たちの結婚はやめよう。よくないよ」
「咲花、そうじゃない」
「佑は私に責任取らなくてもいいって言ったでしょう。婚約者が戻ってきたら、それで万事オーケーじゃない」

佑が歩み寄り、私の両肩を掴む。ちょっと怒ったような顔をしている。

「勝手に解釈しないでくれ。俺は咲花と結婚すると決めた。その気持ちに偽りはない」
「恋愛感情がなくても結婚はできるわ」

私は佑を見つめ涙が出そうになってしまう。

「帰るね」

私は資料をテーブル置き、佑の腕を振り払って応接を出た。
佑の話を聞くべきだ。きちんと話し合うべきだ。
頭ではわかっていても、悲しくて苦しくて混乱していた。


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