そしてまた、桜はさきほこる
第4章 ~エピローグ~
「私たちもついに卒業なんだね・・・」


「ほんとだね、さきとの3年間すごい楽しかったよ!」


「私もだよ、るみ!」


両手には卒業証書とたくさんの花束。


私もついにこの学校を卒業する。


先輩と離れ離れになってから1年・・・。


先輩とは一度も会っていない。


それでもこの1年間、先輩のことを思い出さない日は1日もなかった。


手を繋いだ時の手のぬくもり。


抱きしめられた時の体のぬくもり。


キスをした時の唇のぬくもり。


そのどれもが、私の中で鮮明に残っている。


「さきもこの後の打ち上げ行くでしょ!?」


「うん、もちろん!でもちょっと寄るとこあるから先行ってて~!」


私は、ある場所へと向かう。


今年もきれいに咲き誇った桜のアーチをくぐりぬけ、その先へ。


私が先輩に想いを伝えた、先輩が私に想いを伝えてくれた、あの場所へ。


そこには・・・。
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