もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!

そんなことを聞かされて、これ以上、詳しい事実を聞かされるのも
ちょっと辛い

間接的に聞くならまだしも
当事者から聞くのはリアルすぎて辛い


でも、私を追いかけて来てまで話したいこと
それは聞くべきかもしれない


「でも、あの時の彼は放ってはおけなかった。何もかも諦めたような顔していたから。」

『・・・どういうことですか?』


過去のナオフミさんを知る人の声
しかも、彼が苦しい時間を過ごしたであろう時に一緒にいた人の声なら
なおさら・・・


「彼はあの時も、あなたを求めていたわ。詳しくはわからないけれど。」

『あの時って・・・・?』

「彼が医大生だった頃。何があったかもわからないけれど・・・苦しそうだった。」



ナオフミさんが医大生の頃

森村先生からは、
その頃のナオフミさんは
ミスター名古屋医大殿堂入りしたぐらい、とにかくモテていて
女性関係は”来るもの拒まず、去る者追わず”だった
だから、俺にしとけって何度も言われたっけ


藤崎さんも、その頃に出逢った人なんだ


その頃、
彼は私を求めていて
苦しそうだったって

その頃、私は彼にまだ出逢っていなかった
そんな時でも、彼の心の中に私という存在がいたんだ


「でも、ちゃんと今、こうやってあなたが彼の傍にいる。彼は自分の意志をちゃんと貫いたのね。」


藤崎さんは穏やかな表情で私に微笑みながらそう言った。
まるで、姉のような表情で。

ナオフミさんが藤崎さんの前で示した意志
それは私の傍にいたいということだったのかな?




「私と日詠くん、他人からみれば、間違った時間を過ごしたのかもしれない。でも、私は後悔していない。お互いの傷を癒して、前に進んで、そして日詠くんはちゃんとこうやってあなたに繋がったのだから。」



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