羽を失くした天使 ~祐一の場合

6月生まれの麻里絵は 俺より早く 20才になった。

俺は 麻里絵に ハートのペンダントを 贈った。


「祐一君。ありがとう。」

涙汲んだ目で 俺を見つめて言う麻里絵。


「ううん。俺の時は 倍返しだよ。」

照れて言う俺に 麻里絵は 笑い

「いいよ。倍くらい大きい ハートのをあげる。祐一君 絶対 してね。」

と俺の肩に 頭を乗せた。


麻里絵は 毎日 ペンダントを付けていて。

麻里絵の首で ペンダントが揺れるたび

俺は 幸せな気持ちになった。


2人が付き合い始めて 1年経った日は

奮発して おしゃれなレストランに行った。

化粧した麻里絵は 少し 大人っぽくて。


置いて行かれそうな 不安よりも

麻里絵を 変えた 自信の方が 大きかった。



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