羽を失くした天使 ~祐一の場合

暇な時間に 少しずつ 話すようになり。

麻里絵ちゃんは 建築科の学生だと知る。


「女の子で 建築科って 珍しいね。」

「うん。クラスにも 女子は少ないよ。私 家具とかを レイアウトする仕事が したくて。デザイン科でも よかったんだけど。美大って 個性的な人が 多そうでしょう?だから 建築科にしたの。」

麻里絵ちゃんは 大きな目を キラキラさせて 

希望や夢を 話してくれた。


「祐一君は?どんな仕事が したいの?」

「うーん。まだ全然 考えてないよ。やっと受験 終わったところだよ?これからは 社会勉強をしないとね。」


麻里絵ちゃんは 幼い外見に反して 

責任感が強い しっかり者だった。


バイト中も 率先して動くし。

嫌な仕事も 笑顔で 引き受けていた。


同じシフトに 入ることが 多くて。

一緒にいる時間は 仕事なのに 楽しくて。



麻里絵ちゃんを 好きなことに 気付いても

どうすればいいか わからなくて。

ただ モタモタと 麻里絵ちゃんを 見つめていた。





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