じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

*~先輩からの卒業~*


あと何日、先輩は学校に来るんだろう。



1月の下旬にさしかかる頃、あと数日で3年生は家庭学習期間という名の休みに入る。


そんなある日の帰り道。久しぶりに水谷先輩に会うことができた。



『やぁ!久しぶり!元気だった?』



明るく声をかけてくれた先輩。
久しぶりに一緒に帰ることになった。
途中、先輩は住宅街の中にある、小さな公園を見つけた。


『ちょっと、あそこに寄っていこうか』


そういうと、公園の端に自転車を停めた。
私も同じ様に、先輩の自転車の隣に自分の自転車を停めた。



『いやぁ、何だか久しぶりだね。元気にしてた?』


(あぁ、久しぶりの先輩の優しい声、優しい言葉。
全然、元気じゃなかったって言ってもいいかな…)


『はぃ…。あんまり元気じゃなかったです』


『えっ?大丈夫?』


『大丈夫じゃないです。

先輩に会えなくて元気じゃなかったです』


『(笑)え?そう?

でも、もうあと数日したら僕らは学校に来なくなっちゃうよ。大丈夫?』


『大丈夫じゃないです…』

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