じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

*先輩の最後の夏*



太陽がじわじわと照りつけ、汗が流れるこの季節。



私はいつもと同じように、放課後、りこちゃんと窓からグランドを見つめていた。




もうすぐ部活を引退してしまう水谷先輩。


この夏は最後の大会がある。


夏の選抜高校野球 県大会。


ここで優勝すると、野球をやっている人にとっての憧れである、甲子園へ行ける。


ただ、水谷先輩たち野球部はまだ、休部から再開したばかりで部員もギリギリ、練習環境もよろしくない。


そのため、とても゛強い゛とは言えないチームである。



それでもせっかく再開した野球部で一生懸命、部を支え引っ張ってきた3年生を何とか県大会に出場できるようにしてくれた先生方には頭が下がる思いだ。


そして、先生の期待に応えるべく部長としてみんなを支え引っ張ってきた水谷先輩を思うと、尊敬してしまう。


< 86 / 317 >

この作品をシェア

pagetop