一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「なによ、その上から目線は。あ、わかった。もしかして女の子とデートする前の下見なんでしょう」
「ち、ちげーよ」


鋭い指摘だったのか、祐介が明らかな動揺を見せる。中学二年生にもなれば、好きな子がいてもおかしくない。


「仕方ないなぁ。いいよ、下見に付き合ってあげる」
「だから下見じゃないって言ってんだろ」
「はいはい」


夜の遊園地なんて、中学生にはちょっとロマンチックすぎないだろうか。昼間なら健全なデートの場所だろうけど。
……と実花子がとやかく言うことでもない。


「でも、天気はどうだろう」


夏は空も不安定だ。


「それならリサーチ済み。明日は晴れだってさ」


すでに調査済みとは、祐介にしては上出来だ。


「それじゃ、ねえちゃんは仕事が終わったら遊園地に直行してよ。園の入り口で待ち合わせしよう」
「うん、わかった」


たまには弟とデートというのも悪くない。この際だから姉ぶって女の子とはこういうものだと教えてあげよう。ちょっとしたウキウキ気分で今夜は久しぶりに眠れそうだった。
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