必ず守るから、だから、笑って
「ごめん、ごめん。怒った?希愛があんまりにも可愛かったからさ」
あ、甘い。
甘すぎる。
よくそんな恥ずかしいことを表情ひとつ変えずにさらっとやれるよね。
おかげこっちは体中熱いよっ!
「ほんとに可愛いね。ここが外でよかった。理性保てないところだった」
頭を撫でていたはずの手はいつの間にか私の頬を撫でていて、その手はすごく優しく、そしてとても愛おしそうに、壊れものを扱うかのように撫でるものだから、頭がパンクしそうで、晴葵がなんて言ったかなんて頭に入る余裕はなかった。
「さ、学校行こうか」
「ち、ちょっと待って!晴葵なんでここにいるの!?」
「なんでって希愛を迎えに来るため?」
首をコテっと傾けてこちらを見上げる。
うっ、可愛い。
私はこのうるうるとした子犬のような瞳に弱いみたいだ。
このあざとさはどこで習ったんだろう。
「って、ちょっと待ってなんで急に?」
今この瞬間ももしかしたら新堂に見られてしまっているかもしれないというのに。