君はロックなんか聴かない
成長期の歌
帰宅後は部屋の中で興奮と劣等感で私の心はグチャグチャだった。それはもう凄まじく私の胸を張りさこうとしてた。苦しい。苦しい。苦しい。

圧倒的敗北感、悔しい。早くとにかくオリジナルの曲でステージに立ちたかった。ステージからの景色を見てみたかった。

次のイベントはいつだろうかそれまでには完成できるのだろうか、不安だ。悔しい。涙が出てくる。

とにかく何もせずにはいられなかった。ギターをだき掻き鳴らす。コードなんて今はどうでもいい。今はただ何かが残したかった。何かを表現していたかった。

強くなりたい。もっと強くうまくなりたい。センス才能に憧れた。

早くあの人たちと同じステージに上がりたかった。カッコ良かった。悔しいけど魅入ってしまった。

でも一歩前に進んだ気持ちも確かにあった。いろんな感情が頭の中を巡る。どの気持ちが正解なんだろう。ハングリー精神は大事だけど焦りは禁物。

コツコツ。すっと私は深呼吸を大きくとった。少し落ちついてきた。

ダメだ。歌詞を書こう。そう今の気持ちをそれなら今すぐにでもできる。

テーブルに紙を並べて歌詞をかき始める。

「強い男の子強い女の子みんな頑張ってきたのだろう、、、」

私はひたすら思いついたフレーズを書き連ねていった。
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