君はロックなんか聴かない
夏休みの歌
夏休が始まった。バイト。バンド。バイト。バンド。バイト。バンド。私たちはひたすらに走り抜けた。おそらく大人になって青春はいつですか?と聞かれたら迷わず今日の今を思い出すだろう。暑い夏を駆け抜けた。

毎日確実に成長を感じて充実感に満たされていた。

バイトはゴールデンウィークと同じ倉庫の仕事。涼しい、大変な時もあるけど学校が無いから気持ちはだいぶ楽だった。作業も単純でかなり慣れてきた。余裕がある時は作詞をしながらでも出来る。一石二鳥だ。勿論仕事は手を抜いてはいない。空いた時間にやっている。

それぞれみんなバイトしていたが日にちを合わせてスタジオで練習、みんなだいぶ上手くなってる。そう感じられる、これならフェスでも結果を残せるのではないだろうかと思うほどに上達していた。コピー1曲オリジナル2曲日に日に完成度は上がってる。

「なんか私たち充実してるよね」スタジオ練習の休憩中えみちゃんが呟いた。私たちは目線をえみちゃんに送る。

「そうだね」

「このまま人気出ちゃうかもね」

「そうだね」

「衣装とか買わないとね」

「うん、髪も切りたい」本当は金色に染めたい。

「なんか目標持ってみんなで目指して生きてるとこんなに楽しいんだね」

「うん、私もすごく楽しい」

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