【完】溺愛したいのは、キミだけ。
思いがけないセリフに、また心臓がドキッと跳ねる。


「そ、そうなの?」


なにそれ。一緒にいたかったって、私と?


なんかそれってまるで……。


「とか言ったら、どうする?」


そう言って、イタズラっぽく笑った玲くん。


やだ。今一瞬、真に受けちゃったよ。


「ど、ドキッとしたよっ!」


思わずそう告げたら、玲くんはまた楽しそうにクスクスと笑いながら、私の頭にポンと片手を乗せた。


「バーカ」


うぅ、なんか、からかわれた?


ぞれじゃ、さっき抱きしめてきたのも、冗談だったりするのかな?


でもどうしてだろう、玲くんといると私、ドキドキしてばっかりで。


声だけじゃない。彼の言葉や行動に、いちいち心が反応してしまう自分がいるんだ。


こんなの、初めてだよ。


カケルくん以外の男の子に、ドキドキするなんて。


これじゃまるで私、玲くんのことが気になってるみたいだよね……。


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